ICON とは
ICON は、革新的なコンセンサスメカニズム、分散型のガバナンス構造、そしてエンタープライズとパブリックブロックチェーン間のインターオペラビリティに重点をおいた、スケーラブルなスマートコントラクト対応のブロックチェーンプラットフォームです。
技術的要素の簡単な概要: ICON には Python で記述される SCORE と呼ばれるスマートコントラクト、Loop Fault Tolerance (LFT) と呼ばれる強化された BFT (Byzantine Fault Tolerance) ベースのアルゴリズム、Delegated Proof of Contribution (DPoC) と呼ばれる ICON ネットワークに最も貢献した人に報酬を与えるガバナンスメカニズムがあり、そして “Virtual Step” というコンセプトにより、SCORE オペレーターはユーザーのトランザクション手数料を賄うことができます。
どのような仕組みなのか
ICON は、分散された許可型のネットワーク上のノードで実行されます。ノードの追加は、既存のノードによる投票によって行われます。ノードは、それらの I_Score によって選択されます。I_Score は、 ICON Incentives Scoring System (IISS) を介したそれぞれのネットワークへの貢献度を定量化するメトリックです。
I_Score が上位のノードはコンセンサスに参加する許可が与えられます。ICON ブロックチェーンの "state" を変更するにはコンセンサスが必要です。これには、ネイティブブロックチェーン通貨 (ICX) のトランザクション、SCORE (ICON のスマートコントラクト) の実行、ICON ベースのトークン (IRC2 や IRC3 トークン) の所有権、I_Score のデリゲーション、ネットワークのアップグレード、ネットワークポリシーの変更などが含まれますが、これらに限定されません。
ICON は何を解決しようとしているのか?
ICON は、エンタープライズブロックチェーンにおける「壁に囲まれた庭」問題を解決することを目的としています。ICON は、ICONLOOP というブロックチェーンサービスと密接に連携しています。ICONLOOP は、韓国のエンタープライズ企業を顧客として多く抱えており、そのような顧客は特定の状況下でネットワーク間で通信ができることに関心を示しました。このように、ICON プロジェクトはエンタープライズソリューションの様々な実装間のブリッジとして機能すると同時に、スマートコントラクトが利用可能な汎用のパブリックブロックチェーンとしての利点を提供します。
ICON の特徴は?
ICON の主な差別化機能は、Virtual Step、Delegated Proof of Contribution (DPoC)、そしてインターオペラビリティです。
Virtual Step
ICON パブリックブロックチェーンで発生するネットワーク手数料は Step と呼ばれます。ネットワーク手数料が必要な他のほとんどのブロックチェーンでは、手数料はトランザクションの送信者によって支払われます。ICON はここに Virtual Step 呼ばれる概念を導入しています。
Virtual Step により、ICON のスマートコントラクト開発者は ICX (ICON ブロックチェーンのネイティブプロトコルトークン) をスマートコントラクトにデポジットすることで、転送不可・トレード不可な利子を得ることができます。この利子の唯一の用途は、それぞれのスマートコントラクトのトランザクション手数料を賄うことです。開発者は、コントラクトを利用する人に対して、0% 〜 100% の範囲で手数料の分配率を設定することができます。これにより、アプリの利用者が手数料を支払う責任を負わなくて済むようになるため、ユーザーエクスペリエンスが大幅に向上します。
Virtual Step に関する更に詳しい情報は、トランザクション手数料に関するイエローペーパーをご覧ください。
Delegated Proof of Contribution (DPoC)
DPoC は、プラットフォームのガバナンスと報酬の分配をネットワークに最も貢献するものに偏らせる方法です。ネットワークへの貢献度は ICON Incentives Scoring System (IISS) によって定量化されます。DPoC では、最もハッシュパワーを持つ人 (Proof of Work) や最も富める人 (Proof of Stake) の手によってネットワークを制御するのではなく、開発者がよりネットワークをコントロールできるようになります。
DPoC に関する更に詳しい情報は、ガバナンスに関するイエローペーパーをご覧ください。
インターオペラビリティ
ICON のチームは、エンタープライズブロックチェーンとパブリックブロックチェーン間のインターオペラビリティのための研究開発に多くのリソースを投入しており、長期的には多くの異種パブリックブロックチェーンを接続することを視野に入れています。ICON ブロックチェーン上でアプリケーションを開発することで、ICON パブリックブロックチェーンに接続されている様々なブロックチェーンにアクセスできるようになります。